ファミリークローゼットで後悔しない！よくある失敗7選と成功する間取りのポイント

注文住宅の間取りは一度つくってしまうと簡単に変えられません。安易に計画すると「収納しきれない」「動線が悪い」といった後悔につながり、毎日の暮らしにストレスを抱える原因になります。

この記事では、ファミリークローゼットでよくある失敗7選と、後悔しないための具体的なポイントについて徹底解説。さらに、実際の間取り事例やウォークイン、ウォークスルーといったタイプ別の特徴もわかりやすく紹介していきます。

この記事を読むことで、あなたの家づくりにとってのファミリークローゼットの必要性から、どんな設計なら失敗しないかを判断できるようになります。

結論として、ファミリークローゼットは工夫次第で家事効率を大きく高められるアイデアのひとつです。一方で広さや配置を間違えると、かえってスペースを圧迫してしまい後悔するかもしれません。

ファミリークローゼットを採用する際には、特徴をよく理解してあなたの生活スタイルに合った形で導入することが成功のカギです。

ファミリークローゼットでよくある後悔7選

ファミリークローゼットは家事効率を高める一方で、計画的に配置をしないと後悔の原因にもなります。

ここからは、実際にファミリークローゼットを採用して後悔した7つの事例について解説をしていきます。多くの家庭の失敗談から、どこに注意すべきかを具体的に見ていきましょう。

1：広さが足りず収納しきれない

ファミリークローゼットで最も多い失敗は、広さが不足して物が入りきらないケースです。図面上では余裕がありそうに見えても、実際にはハンガーパイプや棚を設置すると使える面積が狭くなります。

具体的には、次のような状況に悩む方が多いです。

収納不足は片付けに手間がかかり、リビングや寝室が散らかる原因になります。家族の持ち物を事前に確認して掛ける物と畳む物の量を分けて考えると、収納に必要な広さを判断しやすくなります。

余裕を持たせた設計を意識して、使い勝手の良いファミリークローゼットを目指しましょう。

2：間取りの配置が悪くて使いにくい

ファミリークローゼットは寝室や廊下の奥など、日中の動線から外れた場所に設けてしまうと、着替えや片付けのたびに余計な移動が増えて後悔の原因となる可能性が高いです。

たとえば、ファミリークローゼットの配置でよくある失敗例は次のとおりです。

ファミリークローゼットは便利な収納である一方で、配置を誤ると日々のストレスなり後悔に繋がります。

打ち合わせの際には、毎日の生活動線をイメージして洗濯や着替え、帰宅後の片付けを想定して配置することで、使いやすいファミリークローゼットを実現しましょう。

3：家事・生活動線が悪くなった

ファミリークローゼットをつくったものの、家事や生活の動線を意識していなかったために、かえって使いにくいと感じるケースも多いです。

具体的な失敗例としては次のようなケースがあります。

基本的に、ファミリークローゼットはリビングなど普段よく使う場所の近くに設置するのが理想です。洗濯・着替え・収納といった流れが最短でおこなえるように設計すれば、家事効率も生活の快適さも向上します。

4：子どもが成長して使わなくなった

小さな子どもがいる家庭では、家族の衣類をまとめて管理できるファミリークローゼットはとても便利です。しかし、子どもが成長して思春期を迎えると「自分の部屋で着替えたい」と考えるようになり、ファミリークローゼットを使わなくなることがあります。

そのため、子どもの成長後のライフスタイルを想定せずにファミリークローゼットを設計すると、将来ムダなスペースとなるかもしれません。

子どもが独立したあとにも納戸や親のクローゼットとして使えるように、長期的に考えて設計することが重要です。

5：朝の時間に混雑して同時に使えない

家族が同じ時間帯に準備をする朝は、ファミリークローゼットが混雑して不便に感じることがあります。特に通路が狭かったり出入口が1つしかない間取りには注意が必要です。

たとえば、以下のシーンで不便と感じるケースがあります。

忙しい朝の時間帯にファミリークローゼットが混雑してしまうと、家族全員が不満を抱きやすくなります。

ファミリークローゼットの設計では、家族が同時に使う想定で通路の幅を確保したり出入口を2方向に設けるなどの、混雑を避ける対策が有効です。

6：掃除や湿気対策が不十分で衣類が傷んだ

ファミリークローゼットはスペースのほとんどを衣類が占めているため、掃除や湿気対策が不十分だと衣類が傷みやすくなります。通気が悪いとカビやにおいの原因にもなるので注意が必要です。

ファミリークローゼットの環境づくりでよくある失敗例がこちら。

湿気やほこりが原因で洋服を台無しにしてしまうと、本来の収納機能が十分に生かせません。通気性を確保して床から浮かせた収納を採用することで、清潔さを保ちながら大切な衣類を長持ちさせられます。

ファミリークローゼットを定期的に換気や除湿もできる空間にすれば、長く安心して使える収納空間になります。

7：他のスペースが狭くなった

ファミリークローゼットを広く取りすぎた結果、リビングや子ども部屋など他の部屋が狭くなって後悔するケースもあります。収納が充実しても、家族が長く過ごす場所の快適性が損なわれるのは避けたいですよね。

ファミリークローゼットの広さが原因でよくある失敗がこちら。

収納が多いことは安心に繋がりますが、限られた床面積のなかで優先順位を間違えるとかえって不便に感じてしまいます。

ファミリークローゼットを採用する際には、家族のライフスタイルに合わせてどのくらいの広さが必要かを判断することが、バランスの良い間取りにつながります。

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ファミリークローゼットで後悔しないためのポイント5つ

ファミリークローゼットは設計次第で便利にも不便にもなります。大切なことは後悔しやすい原因を理解したうえで、失敗を避けるための工夫を取り入れることです。

ここからは、ファミリークローゼットを長く快適に使うために意識すべき5つのポイントについて詳しく紹介していきます。

1：家族構成に合った広さを確保する

ファミリークローゼットは、家族の人数や持ち物の量に合わせて広さを計画することが大切です。広さを考慮しないと、収納不足になったり逆に必要以上に面積を取ってしまい他の部屋を圧迫してしまいます。

具体的なファミリークローゼットの広さの目安は次のとおりです。

スーツやコートなど丈の長い衣類が多い場合は、ハンガースペースを多めに確保する必要があります。畳んで収納する衣類が多い場合は、引き出しや棚の面積を優先した方が使いやすくなるでしょう。

家族の人数だけでなくライフスタイルに合わせた広さを考えることで、無駄のない収納計画につながります。

2：動線を効率化できる配置を考える

ファミリークローゼットは配置次第で家事や生活の効率が大きく変わります。動線が長かったり複雑だったりすると、収納や着替えのたびに移動が増えて使いにくくなります。

たとえば、効率的な間取りを実現する配置の例がこちら。

動線を意識してファミリークローゼットを配置すると、家事の手間を大幅に減らせます。毎日の行動をイメージしながら間取りを計画することが、使いやすいファミリークローゼットにするポイントです。

3：将来のライフスタイルの変化を見越す

ファミリークローゼットは家族の成長や暮らし方の変化によって、使用方法や頻度が変わっていきます。

子どもが小さい時期は共有の収納スペースが便利ですが、思春期になると自分の部屋で着替えたがることが多く、使われなくなる可能性もあるでしょう。

ファミリークローゼットを長く快適に使うためには次のような工夫が有効です。

ファミリークローゼットを将来を見据えた設計にしておくと、ライフステージが変わっても無駄になりません。暮らしの変化を前提に柔軟に使える計画を立てることが、長期的に満足できるファミリークローゼットにつながります。

4：収納する物を決めてからレイアウトを設計する

打ち合わせでファミリークローゼットのレイアウトを決める際には、あらかじめ収納する物を明確にしておきましょう。ただし、衣類だけを想定して計画すると、あとから日用品や季節物を置きたくなったときにスペースが足りなくなることがあります。

具体的には、以下の点に気をつけながらレイアウトを決めるのがおすすめです。

収納する物をリストアップしてからファミリークローゼットのレイアウトを計画すると、無駄のない配置になり後悔を避けられます。日常で使う物とたまにしか使わない物を分けてレイアウトすれば、整理がしやすく快適な収納空間が実現できるでしょう。

5：換気と掃除のしやすさを考慮する

ファミリークローゼットは収納量が多い分、湿気やほこりが溜まりやすいです。間取りを決める際に換気や掃除のしやすさを考えないと、衣類にカビやにおいがついたり掃除が面倒で使いにくくなります。

具体的には以下の対策を検討してみましょう。

ファミリークローゼット内を清潔に保てれば、大切な衣類をきれいに長持ちさせられます。湿気やほこりへの対策を事前に考えておくことで、快適に使えるファミリークローゼットを目指しましょう。

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【実体験レビュー】ファミリークローゼットの間取り実例

こちらでは、実際に建てたわが家のファミリークローゼットの導入実例を紹介していきます。

キッチン裏にウォークスルータイプのファミリークローゼットを配置。キッチン、洗面室のどちらからもアクセスできる間取りを採用しました。

通路幅もおよそ120cmと比較的広めにすることで、朝の混雑する時間帯でも家族同士がぶつかることなく動線を確保できています。

ウォークスルータイプを検討する場合には、特に通路幅はどの程度確保するべきかよくシミュレーションしたほうが良いでしょう。

▼特に間取りにこだわった家づくりを検討している人は、こちらの記事も参考にしながら理想のハウスメーカーを見つけてください。

ファミリークローゼットの2つのタイプと特徴

ファミリークローゼットには大きく分けて以下の2種類があります。

どちらを選ぶかで収納の使い方や家事動線が大きく変わります。ここでは、それぞれの特徴と向いている家庭の傾向について紹介していきます。

ウォークインタイプ｜大容量収納に最適

ウォークインタイプは、通り抜けのできないひとつの部屋のように作られたファミリークローゼットです。広さに応じてたっぷり収納できるのが最大の特徴です。

次のような家庭はウォークインクローゼットが向いている傾向にあります。

ウォークインタイプは収納量に優れていますが、動線が一方通行になるため配置には場所に注意が必要です。リビングや寝室、洗面所など日常の動線に近い場所に設けると、使いやすさがぐっと高まります。

ウォークスルータイプ｜動線を重視する場合に便利

ウォークスルータイプは、通り抜けできる構造のファミリークローゼットです。出入口が2か所あるため、収納と移動を同時にこなせるのが特徴です。

ウォークスルークローゼットは次のような家庭に向いています。

たとえば「玄関→ファミリークローゼット→洗面室」とつなげれば、帰宅してすぐにコートや荷物を片付けてから手洗いができます。生活動線の中に自然に収納を組み込めるので、日常での使いやすさが高まります。

一方でウォークスルータイプは通路としても使うため、収納量はウォークインに比べて少なくなります。そのため、動線重視で考える場合におすすめです。

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ファミリークローゼットが向いていない人の特徴3つ

注文住宅においてファミリークローゼットは非常に人気の間取りのひとつです。しかし、すべての家庭に合うわけではありません。間取りや生活スタイルによっては、逆に使いづらく後悔につながることがあります。

こちらでは、ファミリークローゼットが向いていない人の特徴を3つ紹介していきます。

1：狭小住宅でスペースに余裕がない

敷地や延床面積が限られている住宅では、ファミリークローゼットを設けることで他の部屋が狭くなり、暮らしにくさを感じることがあります。収納を大きく取るよりも、リビングや子ども部屋など生活の中心になる空間を優先したい人には向いていないかもしれません。

狭小住宅では、家全体のバランスを考えた収納計画が必要です。敷地が限られる場合にはファミリークローゼットを無理に導入せず、収納を分散して設置したり家具を買い足して補うほうが暮らしやすい場合もあります。

2：プライバシーを重視したい

家族の衣類を一か所にまとめられるのがファミリークローゼットのメリットですが、プライバシーを大切にしたい家庭には合わないことがあります。とくに思春期の子どもは「自分の部屋で着替えたい」と感じることが多いです。

そのため、プライバシーを重視する家庭では、それぞれの部屋に小さなクローゼットを設けるほうが安心です。

もしファミリークローゼットを取り入れる場合でも、子どもが成長したら個別収納に切り替えられるような柔軟性を残しておくと良いでしょう。

3：衣類を個別に収納したい

夫婦によって収納にこだわりがある家庭もあるでしょう。見せる収納が好みの人や、反対に生活感を無くしたいと考える家族がいる家庭には、ファミリークローゼットは向いていないかもしれません。

家族それぞれの洋服の管理方法が異なると、共有の収納ではかえって散らかりやすくなることがあります。

ファミリークローゼットが煩雑としていると、子どもが自分の服を探しにくく片付けの習慣がつきにくくなる恐れもあります。

上記の家庭では、各部屋にクローゼットを分けて設置するほうが快適です。もしファミリークローゼットを取り入れるなら、仕切りを設けて個人用のスペースを明確分けるなどの工夫をすると良いでしょう。

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【FAQ】ファミリークローゼットでよくある質問

家族4人ならファミリークローゼットは何帖が目安？

家族4人なら2.5〜3帖が目安です。2帖では収納が不足しやすく、4帖以上は他の部屋を圧迫する可能性があります。

衣類だけでなく布団や季節物を入れる場合は4帖程度あると安心です。家族の持ち物をリスト化して、掛ける物と畳む物の量を確認してから計画すると、無駄のない広さを判断できます。

ウォークインとウォークスルーどちらがおすすめ？

収納量を重視するならウォークイン、動線の効率を重視するならウォークスルーがおすすめです。

ウォークインは大容量収納に適していますが、通路が一方向になりやすいのが弱点です。ウォークスルーは通り抜けできるので家事動線が短くなりますが、収納量はやや少なめになります。

リフォームで後付けできる？

リフォームでファミリークローゼットの後付けは可能ですが、間取りや構造には制限がある可能性が高いです。

子どもが思春期になったらどうする？

子どもが思春期になると自分の部屋で着替えたいと考えるようになるため、ファミリークローゼットを使わなくなるケースがあります。

その場合は、クローゼットを親の収納や納戸に転用するのがおすすめです。あらかじめ小さなクローゼットを子ども部屋に設けておくと、成長に合わせて使い分けができます。

まとめ｜後悔しないファミリークローゼットで快適な暮らしを手に入れよう

この記事では、ファミリークローゼットでよくある後悔7選と、失敗しないためのポイントついて解説してきました。

結論として、ファミリークローゼットはしっかりと計画的に設置できれば、収納と効率のよい動線を確保できるおすすめの間取りです。

あなたや家族の生活に合うかどうかを見極めたうえで導入すれば、毎日の家事効率が向上して家全体がすっきりと片付きます。

反対に、広さや配置を誤ると「使いにくい収納」になり、スペースの圧迫やかえって住みにくい環境となり後悔するかもしれません。

ファミリークローゼットで後悔しないためには、家族構成に合った広さの確保と生活動線を考えた配置を選ぶことが重要です。あらかじめ収納する物や量を把握して、将来のライフスタイルの変化に対応できる計画を立てれば、長く快適に使える収納になります。

注文住宅は収納だけでなく、性能やデザインなども比較しながら検討することが大切です。特徴の似たハウスメーカーを2〜3社ほど比較して、あなたの要望を叶えた納得できる家づくりを進めていきましょう。